シリコンバレーから新宿へ。引っ越しても就職してもやっぱり本ばっかり読んでる薬剤師さん?!


by sanakopi

カテゴリ:本の話( 199 )

 まず息子の高校が卒業式も終わって、無事2年目終了。

 下の娘も、プロジェクトをこなしたあとは、早々に教科書を返納。だから、あと何日登校する日が残っていても、お気楽なもの。

 というわけで、ようやく私もほっと一息なわけです。

 といっても、人形劇公演があったし、今週半ばからは日本語補習校の夏期集中学習期間中のお昼休み、おはなし会でとりくむ『ももいろのキリン』のペープサートにむけて、下読みをしたり、歌の練習をしたり、あるんですけどね~~

 でも、ここのところ待っていた本に出会っちゃっていまして。そうなると、優先順位がコロコロ入れ替わって、いつのまにやら本のほうを読んでしまっています。

 『天地明察』沖方 丁

 2010年本屋大賞1位。サンノゼ図書館の新着でした。
 特に前半、主人公が若い頃がいいですね!!歴史エンターテイメントっていうのかな?
 ほぼ全員、実在の人物なんじゃないかと思うんですが、みんな生き生きしています。
 数学、物理がお好きな方にもおすすめです。

 『きことわ』 朝吹 真理子

 2011年芥川賞。これもサンノゼ図書館新着!あいかわらずあなどれません。
 芥川賞、直木賞は、文学賞なので、ただ、おもしろいだけの本は選ばれないんでしょうね?
 この本も、言葉選びの美しさや、全体の透明感。そういうものがまず読後に感じられるだけで、何がテーマだったのかな???ってなりました。でも、じわじわっときました。
 
 記憶の不思議さ。家族や親友など、愛ある人からもらった記憶、というのがあるんですよね。

 自分が実際覚えているんじゃなくて、あの時のあなた、こうだったわよね、と言われ続けたことが鮮やかな自分自身の記憶として手元に残っていたり、時間を経た後に突然『思い出』として届けられたりする。

 反芻するほどに味わえたので、やっぱりいい本でした。

 『シューカツ!』石田衣良

 実は、私はシューカツをちゃんとしたことがありません。

 薬剤師として、パートでもぐりこむ、っていうのは何回かやりましたが、いい加減な履歴書を出して、『どうぞどうぞ、いつからでも。そちらの条件にあわせます』なんていうのは、就職活動とはいえませんよね・・・・・

 この本で初めて、こんな辛い思いをして就職しているのか、と、若い世代のみなさんを尊敬してしまいました。自分と向き合うだけでも苦しいのに、次から次へと下される評価。プラスのものばかりなはずないんですから、まさに修行・・・・

 なんとなく日本に帰りたがっているうちの子たちにも読ませとこうかな・・・ビビるかな。。



 

 
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by sanakopi | 2011-06-15 06:12 | 本の話 | Comments(6)
 ティーンエイジャーの娘さんがいらっしゃるお友達からお借りした一冊。

 ちょっと恥ずかしくなってくるくらい、瑞々しい高校生たちの時間を切り取った作品です。

 アニメやゲームで二次元の美的感覚を日々磨いている息子にも受け入れられた、美しさを描くのがとても達者なあさのさんならではの小説でした。

 美しくなくても悩むけど、美しい人でも悩むのね、こんな時期は。

 家庭がしあわせでもやっぱり悩むし、問題があればもっと悩む。

 違いをいいな、と思えたり、こんな自分も、あんなあの人も好きだな、と思えるための経験を重ねて行く、そんな大事な数年間だと思います。

 最近は、お互いに自分のいいと思ったものを勧め合って、同じように受け取ったり、感動したり、違った視点で見ていたり、そんなことを共有できるので、息子や娘との関係があたらしいステージにいくようで、うれしいです。

 息子に、吉本ばななさんの『つぐみ』を勧めたら、いいポイントをちゃんとわかってくれて、さすが息子、と思ったり、さすが吉本さん、と思ったり。

 娘が補習校の中学部に進学したので、新しい図書のコーナーがあって、読みたかったライトノベルを次々借りてきてくれて、一緒に読むのも超たのしい!

 読書はひとりのたのしみだけど、仲間がいると何倍にもなります。
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by sanakopi | 2011-05-17 06:55 | 本の話 | Comments(0)
 『キノの旅』の時雨沢さんの作品です。さなの大好きな作家さんです。

 といっても、大人のみなさんは御存じないでしょうね~~。いわゆるライトノベルです。

 若者にも読みやすい言葉や表現が使われているということで、ジャンル分けされているのでしょうけど、内容は決してライトなものばかりではないと思っています。

 さて、『アリソン』では、なんと、長い間終わらなかった二国間の戦争を若い3人の冒険が終わらせてしまいます。まさに、読み終わったときに、ビンラディン容疑者が死亡、という第一報を目にしました。

 『もしかして、これで911以来の戦争状態に終止符が打たれるのでは』

 という淡い期待を抱いてしまったのも、『アリソン』の戦争終結の余韻があったからかもしれませんね。現実にはそうはなりませんでした。。。。

 『アリソン』では、おとぎばなしらしく、戦争の理由が実にシンプルにはっきりしています。

 だからこそ、終わったことに出来たんでしょうね。

 でも、どうしたら世の中から戦争がなくなるんだろう、と考えてみるときに、あっさりと読めるこんな本からもヒントが見つかるのかもしれません。
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by sanakopi | 2011-05-10 05:23 | 本の話 | Comments(0)
 今日は、娘がお世話になっている日本語補習校で、保護者の方向けに

 『おはなしワークショップ』

 というのをやってみました。おはなし会というボランティアグループの一員として、メインでお話させていただきましたが、いや、これがむずかしい。。。

 ついこの間、藤田さんのワークショップに出たばかりで、その余勢をかってやってしまおう、と思っていたのですが、聞くのと話すのとでは、大違いでした。

 また、いつもやっている小さいお子さん向けのおはなし会とも違って、なかなか時間の見積もりがむずかしくて、順序だてて話した方がわかりやすいところを、行ったり来たりしながら話してしまったり、これは絶対言おう、と思っていたことを忘れてしまったり。

 でもまあ、

 『子供と一緒にたのしみましょう!』

 ということだけは伝えられたかな、と思います。第2回、第3回とやっていったら、もっと上手にできるようになるかも~~。何事も経験ですね。

 タイトルの『どんな本を読んであげたらいいの?』

 この答えですが、まず、読んであげたり、は、しないほうがいいということです。。。

 ひとつの正解は、

 『おもしろそう、と思う本を一緒に読みましょう!』

 もちろん答えは一つじゃないでしょうね。年齢にあったもの、とか、長く読まれている名作、とか、具体的なアドバイスもできます。

 もちろん、子供がこれ読んで、と言ってくれるようになったら、大歓迎。

 子供がどんなことに興味を持っているのか、どんなおはなしが好きなのか、それを知ることができるチャンスです。同じ本を何度も何度も読みたがる子には、とことんつきあって。

 以前、朗読をなさる吉田智子さんにおそわった極意のひとつは、

 『自分を好きになってもらう。好きな人のしてくれるおはなしは好きになるものよ。』

 ですから、お母さんが子供と一緒に読むときには、もう、どんな本でも、どんな読み方でも大丈夫ということなんです。

 もうすこし大勢の子供たちに読むときも、まず、このおばさんをすきになってもらいましょう。

 そして、藤田さんのひとこと。

 『自分の読みたい本を読めばいいのよ。』



 こんなことも言おうと思っていたのに、すっかり忘れていた、今日のはじめてのワークショップでした。

 
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by sanakopi | 2011-04-24 06:22 | 本の話 | Comments(4)
 私の大事な大事な絵本のひとつです。

 震災後はじめての水曜日のおはなし会。震災のことは話そうか、どうしようか、どんな本を選ぼうか。

 いろいろ迷った結果、おはなしを聞きに来てくれたのだから、私はおはなしで伝えればよい、と思い、いちばん心をこめて読める、『ちょっとだけ』をメインに選びました。

 あとは、楽しい絵本を。

 『ちょっとだけ』は、赤ちゃんが生まれて、はじめてお姉ちゃんになったなっちゃんと、ママのおはなしです。

 ある1日、朝からなっちゃんはいっぱいがんばります。

 赤ちゃんをだっこしているから、ママと手をつなげなかったり、

 コップに牛乳を入れるのも、かみをかわいく結ぶのも、

 いつもママがしてくれたけど、今日はなっちゃんががんばります。

 そしてどれも、”ちょっとだけ”うまくできました。

 夕方になって眠くなってきて、

 『ママ、”ちょっとだけ”だっこして。。。』

 そうしたら、ママが、

 『”ちょっとだけ”じゃなくて、いっぱいだっこしたいんですけど、いいですか?』

 って聞いてくれるんです。
 
 『いいですよ!』

 このときのなっちゃんの笑顔がさいこうで、いつも泣きそうになってしまいます。

 そして最後に、

 『そのあいだ、あかちゃんに”ちょっとだけ”がまんしてもらいました。』

 この最後の文章がまた、素晴らしいと思います。

 そしてさらに余韻として、なっちゃんのお姉ちゃんらしい絵が2枚。


 きっと被災地では、なっちゃんのように一生懸命がまんしながら、ママやパパのことを思いやっている子供たちがたくさんいると思います。悲しみや不安の波にのまれるように、子供たちをだっこするのを忘れてしまっているママもいるかもしれない。。。。

 ぎゅってすると、すこしかもしれないけど、ほっとします。

 ぎゅってしたほうも、されたほうも。

 もう1冊、ぎゅってしたくなる絵本を紹介しておきます。

 『しゅくだい』 いもとようこ


 被災地に絵本を届ける活動も始まっていると聞いています。この2冊も届けられるといいな。
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by sanakopi | 2011-03-19 00:50 | 本の話 | Comments(6)
 わがやでの評価は高かったです!

 なぜかというと、こたと私がここんとこはまっているアニメの世界観に近いから。

 う~~む、文学賞をとった作品が、アニメの世界観に近いという、そこんところが評価のあがらないポイントなのかもしれませんね。読みやすいのですが、それが物足りない、とか?

 もちろん、私たちの思い入れは、今まである程度の時間をかけて移植医療について考えてきているからこそ、ともいえます。

 私なんて、実際全ド協みたいなシステムがあったら、こたに、ちょうど移植が必要になった段階で、あげれるものなら全部あげたいです。私の心臓や肺が、いいクオリティを保っていなくちゃ話にもなりませんけどね。でも、実際にはできないことにほっとしている自分もいるかも。そりゃあやっぱり、一緒に生きていたいから。

 以前から、裏社会には、臓器売買みたいなことが存在している、という話を聞いたりしますが、小説で書かれているのを読んだりするだけで、実際には???全ド協に近いものがすでにどこかにあるのでしょうか・・・・

 KAGEROUのほうに話を戻すと、あとはエンディングでしょうね~~

 脳の移植までしてしまうという・・・・

 あそこは、脳の機能を失ったレシピエントの希望にはまったく沿っていないのでは、と思うのですよね。あ、でも途中で、レシピエントになったキョウヤさんが、ドナーさんの脳がたいへん若い状態に保たれていることをうらやましがっているような雰囲気があったな~。彼が自分の脳血管の状態をすでに知っていたとしたら、生前に意思表示していたのかなぁ~~

 つまり、あんまり納得はしていない、というところです。

 まとまんなかったですけど、一度読む価値はあり、とします。とくにお若い方に。




 
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by sanakopi | 2011-02-22 02:36 | 本の話 | Comments(3)

Three cups of tea

 一緒に読みましょう、と言ってくれるNさんのおかげで、なんとか投げずに最後まで読めました。

 この本は、グレッグ・モーテンソンという元登山家のアメリカ人男性が、K2の登頂寸前までいってあきらめたあと、自身もあわや命を落とすかという状況に陥り、その後たどりついた辺境の小さな村で、その清貧のくらしに感動し、長老と心を通わせるうちに、その村の子供たちに、とくに女の子たちに教育の機会をあたえたいと強く思うようになります。

 普通なら、その場ではそう思っても、もとの生活に戻ったら、そんなこと思い出の片隅に追いやられてしまうでしょう。

 しかし、彼は違いました。

 登山家のネットワークなども駆使して、なんとか、資金を集め、ひとつ、またひとつと、学校を建設していきます。

 彼の苦労は、こんな一つの文章で書き表わせるようなものではなかったのですが・・・

 活動が軌道になりだしたころ、彼自身が誘拐にあったり、ニューヨークの同時テロのときはまさにアフガニスタンにいて、スパイの疑いをかけられたりもします。

 そんな時もほんの一瞬も決意はゆらぐことがありませんでした。

 彼の謝辞でも、おもわずぐっときてしまったのですが、彼を支えた奥さんが、ほんとうに偉いと思いました。危険と分かっている場所へ送り出しつづけ、二人の子供を守り育てながら励まし続けたのです。

 こんなすごい人がひとりいるだけでも、やっぱりアメリカってすごいな、と思うんですよね。

 彼の活動が実を結ぶことで、タリバンに入る若者が少なくなったり、ジハードの考え方が偏ったものだという判断のできるイスラム教徒が増えてくれたら、それは戦争なんかより確実な平和への道筋にちがいないです。
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by sanakopi | 2011-01-27 07:36 | 本の話 | Comments(0)
 久しぶりに、分厚い歴史ものに行ってみました。

 世界史の教科書ではせいぜい1ページ、たいてい、アレクサンダー大王の帝国の地図というのと一緒に扱われます。やたらに広いその帝国。どうやって治めていたんだろう???とは思うものの、彼が何歳まで生きたかとか、深く考えていませんでした。

 つまり、勢力下におさめるとこまでしか彼の時間はなかったんです。統治に苦心する時間は残されていなかった・・・

 興味深かったのは、彼が積極的に文化の融合を行ったということです。アリストテレスにも師事しており、ギリシャの文化に親しんだマケドニア人でありながら、ペルシアの絢爛豪華な文化にも違和感を示さずに親しんでいくのです。合同結婚式には苦笑しましたけど。。。

 また、彼の青年時代からの仲間が、彼の死後活躍していたんだ、ということもわかりました。

 エジプトのプトレマイオスが、べつに王族とかそんなんじゃなく、ただ賢さと勇気を兼ね備えた若者だったなんて、意外でした。

 やっぱりいいな~~、歴史物は。もちろん、面白く書いてくださった阿刀田さんがすごいのです。


 
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by sanakopi | 2011-01-14 04:08 | 本の話 | Comments(2)
 『死神の精度』は伊坂幸太郎さん、『クローズドノート』は雫井脩介さん。

 どちらの作家さんも人気なのは知っていたけど自分にはどうかな?と思っていました。

 が、予想を裏切るぴったり具合でした、この2作品!!死神のほうは、もう、死神っていう設定自体大好きだったので、メインの死神さんの千葉さんのキャラにかかっていたわけですが、素敵過ぎて、この人が担当してくれるんだったら早めに会いたいかも、と思うくらい。

 森絵都さんの『カラフル』の死神さんもすごくよかったし、古くは『デーモンの花嫁』とか、少女マンガの名作で素敵な死神さんって多いです。『デスノート』の場合はキュートだったし。

 『クローズドノート』のほうは、巻末まで読んで納得しました。だれもが人生で1冊はベストセラーになるような物語が書ける、という説、わたしは結構信じていまして、この作品は雫井さんにとってそういう作品のひとつなんだな、と。

 ヒロインの部屋に以前住んでいたと思われる女性教師の残したノートの内容、子供たちからのメッセージが、現実感があって程よい重さがあるな、と思っていたら、亡くなられたお姉さまの遺された文章、子供たちからのメッセージをそのまま、あるいは参考にして書かれているとのこと。

 そうだったのか、と腑に落ちました。

 もうひとつ大好きだったところは、万年筆をすごく印象深く使っているところかな。私も学生時代、筆まめだったので、愛用の万年筆がありました。どこにいっちゃったかな・・・・

 良い物語に出会うと、その日一日ずっと幸せですね~~。




 
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by sanakopi | 2010-12-03 03:33 | 本の話 | Comments(2)

『阪急電車』 有川浩

 ひさしぶりに『きゃぴきゃぴ』しました。ついでに、意表をつかれて涙ぐんでしまったりもしました。

 有川さんの描く、いい女の子はとことんかわいくて、年齢に関係なくかわいげがあって、さらに正義の味方だったりもして、ほんとうに好きです。そのついでにですが、彼女たちが惚れる男の子ってやつもまた、思いっきりかっこよくって~~~

 文庫版をお友達にお借りして読んだのですが(ありがとうっ)これはもう、自分でも買いだな、とにんまりしています。だって、阪急今津線に乗りに行くときに、手元にあったほうがまたまたたのしいでしょう?!もうぜったい乗りに行く気まんまんです。

 文庫版には、児玉清さんの解説がついていまして。

 この児玉さんの解説がまた、いい。

 たしか、重松清さんの作品を読んだときも、文末の児玉さんの解説で、ひと粒で二度おいしいてきな、感動の二度塗りを体験したことがあります。

 阪急電車に揺られながら、窓の外を見ていたら、宝塚駅から児玉さんが乗っていらして、ひとしきり本の話などをする、なんてそんな妄想が爆発してしまうような、破壊力のある小説です。
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by sanakopi | 2010-11-24 06:12 | 本の話 | Comments(1)