シリコンバレーから新宿へ。引っ越しても就職してもやっぱり本ばっかり読んでる薬剤師さん?!


by sanakopi

蠅の王

 おもしろそうな、漂流モノつながりで、楽しく読む予定が、がつ~~んと裏切られました。

 さすが、ノーベル賞受賞作家の作品は甘くない。。。。

 近未来、の設定ですが、時代を考えると、まさに、現代の少年を描いているとも思えます。

 物語は、世界大戦のさなか、イギリスから、疎開のため飛行中、攻撃をうけたため、少年たちだけが孤島に取り残されるところからはじまります。

 イギリスの少年たちですから、ちいさな紳士をイメージして読み進むと、半ば以降、どんどん裏切られていきました。もともとは、こたに勧めようと思っていたのですが、後半読み進むにつれ、やめとこう。。。。。と。

 はじめのうちは、大人に監理されない開放感が強く、それでも、リーダーを決め、彼の元、理性的に判断して動くことができていたのに、彼らの中の『獣性』がしだいに目覚め、理性を保とうとするグループとの対立、そしておそろしいクライマックスへ。。。

 その『獣性』の目覚めは、狩りをして、『豚の肉を食う』ということで増幅されていくようで、なんだか、男の子に肉を食べさせるのがこわくなりました。

 最後に、大人が救助にやってくるのですが、それすら救いにはなっていないような読後感。

 大人の救いは、いつも遅すぎるのでしょうか。。。。

 おそろしいけれども、おそろしいだけじゃない。

 心の中に獣が隠れていることを認めて、それに立ち向かい、理性を保ち続けることが、大人になる、ということなのかもしれません。母親も、子どもたちの心の中の獣を見てみぬふりをしないで、時には一緒に戦い、時には獣であっても抱きしめていかなければならないのかもしれません。

 
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by sanakopi | 2008-04-30 01:43 | 本の話 | Comments(0)