シリコンバレーから新宿へ。引っ越しても就職してもやっぱり本ばっかり読んでる薬剤師さん?!


by sanakopi

「こちら、あみ子」 今村夏子

 ええと、ひさびさのサンノゼ図書館あなどれず、の本の紹介です。

 装丁が大好きな小川洋子さんの何冊かの本を手がけている方と一緒だったんですよ、借りようと思ったきっかけは。はかなげな小鹿がとても気になって。

 読んでびっくりでした。

 苦しくなって終わりまで読めない人もいるんじゃないかな。。。

 いや、苦しいといってはいけないような、でももやもやするような。

 いまは医学的な分類が事細かにあって、経済的余裕のある家庭では特別な支援が必要な子供たちも、大切に育てられています。親たちもたくさん情報を持っていて、思いやりを持った態度でいられます。

 でも自分が子供のとき、なんだかのんびりした子、いつもあさってのほうを向いてるみたいな子、おしゃべりが得意じゃない子。淡々と同じクラスにいたそんな子達をいじめこそしないまでも、ひどく冷たい目で見て、ふれないように距離を置いていました。

 そういう自分が恥ずかしくなって少し苦しくなってくる、そんな物語でした。

 でもすごい力がある。読み終わったら大好きになっていました。

 読み終わったらおしまい、じゃなくて、なんだかしばらくじっと考えてしまうんです。

 考えさせてくれる小説なんです。

 あみ子はしあわせそうです。持っていないものや、来てもいない明日のことばかり思って不幸になっていく私たちとは違って、あみ子には今あるものを好きになって、今を楽しむ力があるのです。

 
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by sanakopi | 2012-09-13 05:49 | 本の話 | Comments(0)