シリコンバレーから新宿へ。引っ越しても就職してもやっぱり本ばっかり読んでる薬剤師さん?!


by sanakopi

『破裂』 久坂部 羊 と、『きらきら』 シンシア・カドハタ

 何気なく、O氏のガレージ図書で手に取った2冊が、なかなか強烈でした。

 『破裂』のほうは、医療ミスを入り口に、官僚主導のおそるべき高齢化対策、ぽっくり死推進運動にまで発展していきます。最終的には、一見、正義は勝つ、のようでいて、でも、いろんなわだかまりが残る小説でした。

 どちらが正しいことを主張しているのか、自分でもよくわからなくなってくるのです。

 ちょうど、今日、友人たちとの会合のときに、アメリカの医療のシステムはひどい。ほとんど自然淘汰、弱肉強食の世界、というはなしがでました。不調があるから予約を取りたいのに、3ヶ月先しか空きがない、と断られるのはめずらしくないのです。

 でも、この本に描かれているように、医療の進歩によって死なせてもらえず、ほとんど楽しみのない毎日を生きることを強いられている、とかんじる高齢者の方々も、幸せとも思えません。

 『きらきら』のほうは、日系人で、現在もカリフォルニアにお住まいだという女性の英語で書かれた小説の翻訳です。

 こちらも、主人公の少女の明るさが救いですが、大好きな姉がリンパ腫に侵され、貧しいために両親は働き続けなくてはならなかったので、なんと、まだ11歳の妹が、姉に、いやがる薬を飲ませたり、あれが食べたい、やっぱりいらない、などというわがままに付き合ってあげているのです。時には、『いいかげんにして!』っていいたくなってもあたりまえです・・・・

 彼女が、素敵な姉のことをとてもよく理解して、たくさん覚えていてあげているので、彼女の死は、それほどひどく悲しいこととしては感じられません。よく生きることとは、自分がかかわった人たちの心の中に、いいものをたくさん残すこと、なのかも。

 どちらも、読んで、ハイ終わり、じゃなく、しばらく考えさせてくれる本でした。
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Commented by つれ at 2009-09-16 08:27 x
読むの早いですね。
私は短編すらなかなか進まないです。

バザーが20日(日)10:00~2:00です。
恒例古本市も。
息子はおでんや・やきそばやでへるぷしてまーーす。
どうぞお越しください。
Commented by sanakopi at 2009-09-17 13:34
つれさん、

読むのはたしかにはやいんですけど、どっちかというと、家事をサボってるから読めるんです~~

日曜日は、へたってることが多いんです・・・・が、頑張れそうだったら古本市に行きたいです。教えてくださってありがとうございます。
Commented by 来夢 at 2009-09-17 21:52 x
きらきらという本は、日本でも読めますかね。
看病する側の大変ですよね。私も今日は母親と大喧嘩し、逆に逆切れされてしまいました。
なかなか難しいですね。
Commented by sanakopi at 2009-09-18 00:51
来夢さん、

もちろん!アマゾンにもあったよ。でも、文庫はなくて、ハードカバーだけだった。。。
喧嘩できるのも体力も気力もある証拠だとおもうよ~~。
マラソンで鍛えてるもんね!!


by sanakopi | 2009-09-16 07:36 | 本の話 | Comments(4)